不定愁訴といわれる、病院で検査をしても異常がみられない、でも様々な不調を感じる。頭痛、腰痛、めまい、動悸、だるさ、吐き気、イライラ、不安感など。
人によっては、今日は腰が辛い、今日は肩が痛い、今日はお腹の調子がよくない、今日は気分が重いなど、日によっても症状の程度や辛い場所が変わる。そういった際、一つ持っておいていただきたい視点があります。
このような状態は中医学では気滞(気の滞り)といわれます。
身体、呼吸でみると、膨張圧が高まった状態(身体の中の圧力が高まった状態)で、わかりやすくイメージしていただけるものだと、パーン張ったゴム風船のような感じですね。
では、ちょっと体験してみましょうか。
今その場で息を吸って、ちょっとそこにいてみてください。
そうすると、胸や肩が張るような身体の中に膨らむような力を感じませんか?
はい、楽にしてくださいね。
これが膨張圧です。
この膨張圧が持続的に高まると、先ほど挙げた不定愁訴といわれるような様々な症状の引き金の一つになると考えています。
身体の中の膨張圧が高まるとどんな感じなのか?
ちょっとイメージしてほしいんですが、背中から服を後ろに引っ張られた状態で前に歩くのを想像してみてください。
そうなると、動きづらいですよね。ぐっと力が入り、力むので身体を痛めるリスクも高くなるのがなんとなく想像できると思います。実際に使われる筋肉も外側(アウターマッスル)が優位になって疲れやすさにも関わってくるところです。
それで、やっかいなのがふだん生活していると誰しも膨張圧がある程度高まるものなんです。
特に季節の変わり目、最も顕著なのは春先(2~3月)、ふきのとうがみられる時期は膨張圧が高まりやすく、不調がみられやすい傾向があります。あとは、デスクワークなど座る時間が長い方も膨張圧が高まりやすいです。
では、どうすればいいかということになりますが、少しイラストを使って身体についてみていきましょう。
下のイラストは生命体、人間として表したものなんですが、それぞれ個性があって凸凹があります。飛び出たところが不調のリスク因子、例えばゆがみや弱いところとします。

ただ、多少のゆがみや弱いところがあってもよくて、それが赤い枠の中におさまっていれば、調和されていて大丈夫なんです。自然治癒力が十分に発揮できている状態で不調がない状態(下のイラスト)

それで、膨張圧が高まると赤い枠が小さくなるんです。自然治癒力の働きが弱くなり、許容できる範囲が狭くなり、余白がない状態。下のイラストの外から2つ目の赤枠、何箇所か飛び出た部分がみられますよね。これが症状。この段階だとまだ施術を受けたり、十分な休息で楽になる状態といえるかもしれません。

そのまま、膨張圧が持続的に高まると、下のイラストの3つ目の赤枠のように小さくなり、不調が強くみられる状態になります。青い線の不調が大きく現れています。

ここで大切なのは、飛び出たところゆがみや症状自体をどうこうするよりも、膨張圧を抜き全体として身体の圧をコントロールできるような身体にしてあげることです。つまり、赤い枠を広げていくイメージですね。そうすると、自然治癒力が十分に働き、症状がよくなっていきやすい身体になるわけです。
鍼灸治療も膨張圧を抜くことにつながりますが、圧倒的に早いのは自ら動くこと。
そう、自ら動くことでしか得られない作用があるんです。
当院で行っている呼吸ワークで体操のような動きをしたり、呼吸法をするのは、圧のコントロールできる身体づくりになりますし、トータルコンディショニング(TC)はふだん使われづらい腸腰筋(インナーマッスル)に刺激が入るので熱循環や圧のコントロールにもすごく効果的なプログラムです。月1回5日間のTCウィークも身体を整える機会になるので、ぜひご活用ください。
ご自分ですぐにできることだとウォーキングがいいですね。できれば5,000歩以上ゆったりと歩けると圧抜きになりますし、7,000~8,000歩くらい歩けると全身的に良い作用があるのでお勧めです。負担なく毎日の習慣になるとすごくいいですね。
動くとどこかに痛みがでる方は無理をせずまずは鍼灸治療で痛みなく動けるように(動き方にもコツがあります)、そして動ける方は呼吸ワークでもサポートいたします。
日々のコンディショニングには、身体を安静に休めることもいいですが、適度に動いて圧抜きができると息抜きになってもう一つ体調をいい状態に保ちやすくなると思います。
不定愁訴でお悩みの方は、全身的に動いて圧コントロールできる身体づくりが回復の近道になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。